Single Victory Club Teams

Single Victory Club Teams

写真は2001年第13戦のジョーダン・グランプリ。
チームオーナーでチーム売却後テレビ解説者になったエディー・ジョーダン(見事なヅラ)を挟んで、左が後藤久美子との不倫でお馴染みジャン・アレジ、右が2015年フォーミュラE最下位記録保持者のヤーノ・トゥルーリ。
今となっては暗雲立ち込める布陣も、当時は全く新鮮であった。


1回しか勝てなかった男たち列伝 ≪チームまとめ≫

SVC 会員全32名の紹介が終わったところで、最後に SVC 会員を複数同時に擁したチームをまとめる。

本来「ドライバーが全員 SVC 会員だったチーム」とでも言いたいところだが、以前は1チーム1台体制が許されていた時代もあったことから、あまりに多くが該当してしまう。SVC 会員が弱小チームに人気が高かったのは今も昔も変わらない。
また、1チームで3台以上のマシン/ドライバーをエントリーできた時代もあり、「ドライバーが2名とも SVC 会員だったチーム」という言い回しもできない。

そこで、「1シーズンに SVC 会員を複数擁したチーム」としたのだが、特に昔の大手チームは多数車攻勢を仕掛けており、SVC 会員を同時に5人擁したなんてことにもなりかねない…と考えてヒヤヒヤしたのだが、データをまとめた結果、最大で2人しか被っていなかったことが判明。

よって、これを記録達成順にまとめ、レア度とともに詳細を記す。
また、クリックすると拡大表示される冒頭のサムネイル画像19枚は記録が達成された順に、各チームのその年のマシンとなっている。

1956年 マセラティ
結果 ニアミス
レア度
SVCドライバー ピエロ・タルッフィ
1952年開幕戦入会
ヨアキム・ボニエ
1959年第3戦入会
早速、年間を通して SVC 会員2名を含む12名ものドライバーを走らせたチームが登場してしまった。しかも開幕戦と最終第8戦は6名が同時出走している。ところが、タルッフィは第5戦のみ、ボニエは第8戦のみの参戦であり、ニアミスであった。
1956年のマセラティは、「1シーズンに SVC 会員を複数擁したチーム」ではあるが、「SVC 会員を複数《同時に》擁したチーム」ではなく、また当時ボニエは未勝利ドライバーであったことから「SVC《現役》会員を同時に擁したチーム」でもない。
1962年 フェラーリ
結果 第6,7,8戦で同時出走
レア度 ★★
SVCドライバー ジャンカルロ・バゲッティ
1961年第4戦入会
ロレンツォ・バンディーニ
1964年第7戦入会
この年のフェラーリからは5人が出走、全員が同時出走したレースも複数ある。SVC 会員2名が同時出走したのは第6,7,8戦。
「SVC 会員を複数《同時に》擁したチーム」ではあるが、バンディーニが未勝利ドライバーであったことから「SVC《現役》会員を同時に擁したチーム」ではない。
1963年 フェラーリ
結果 ニアミス
レア度
SVCドライバー ロレンツォ・バンディーニ
1964年第7戦入会
ルドヴィコ・スカルフィオッティ
1966年第7戦入会
この年のフェラーリからは4人が出走、最大で3名が同時出走しているが、バンディーニは第2,3,4戦、スカルフィオッティは第7,8,9,10戦のみの参戦なのでニアミス、更に両者とも非現役会員。
最低基準の「1シーズンに SVC 会員を複数擁したチーム」には該当する。

バンディーニは魅力ある走りで人気者、スカルフィオッティはフィアット創設者の孫ということで、以降同じ組み合わせがしばらく続く。
とは言え、バンディーニはジョン・サーティースのセカンドドライバーであり、スカルフィオッティも複数存在したセカンドドライバーの内の一人=3台以上エントリーできた時代の非メインドライバーであった。
SVC 会員データだけ見ると、フェラーリがこの2人をいたく気に入っていたように見えるが、他にも上述のサーティースやクリス・エイモンといった名だたるドライバーが多数フェラーリから出走していることに注意。つまり、レア度は低い。

1964年 フェラーリ
結果 第8戦のみ同時出走
レア度 ★★
SVCドライバー ロレンツォ・バンディーニ
1964年第7戦入会
ルドヴィコ・スカルフィオッティ
1966年第7戦入会
この年のフェラーリからも4人が出走。第7戦で SVC に入会したバンディーニは全戦出走したが、未入会のスカルフィオッティは第8戦のみ。
「SVC 会員を複数《同時に》擁したチーム」に該当。
1965年 フェラーリ
結果 第8,10戦で同時出走
レア度 ★★
SVCドライバー ロレンツォ・バンディーニ
1964年第7戦入会
ルドヴィコ・スカルフィオッティ
1966年第7戦入会
この年のフェラーリからは6人が出走。前年 SVC に入会したバンディーニは全戦出走したが、まだ未入会のスカルフィオッティは第8,10戦のみ。
「SVC 会員を複数《同時に》擁したチーム」に該当。
1966年 フェラーリ
結果 第6,7戦で同時出走
レア度 ★★
SVCドライバー ロレンツォ・バンディーニ
1964年第7戦入会
ルドヴィコ・スカルフィオッティ
1966年第7戦入会
この年のフェラーリからは4人が出走。バンディーニは最終戦以外は全戦出走したが、スカルフィオッティは第6,7戦のみで、この第7戦で優勝、SVC 入会。
スカルフィオッティは晴れて現役会員となった第8戦には参加しておらず、惜しくもフェラーリはこの年も「SVC 会員を複数《同時に》擁したチーム」を満たすのみ。
1967年 フェラーリ
結果 第2戦のみ同時出走
レア度 ★★★
SVCドライバー ロレンツォ・バンディーニ
1964年第7戦入会
ルドヴィコ・スカルフィオッティ
1966年第7戦入会
この年のフェラーリからは5人が出走。
ついに前年スカルフィオッティが SVC 入会を遂げたが、開幕戦を欠場したバンディーニは第2戦モナコGPで死亡、フェラーリが1962年から6年掛けてようやく手にした栄誉(?)はわずか一戦のみで終わってしまった。
一戦のみとは言え、ついに史上初の「SVC《現役》会員を同時に擁したチーム」誕生である。
1967年 アングロ・アメリカン・レーサーズ
結果 ニアミス
レア度
SVCドライバー リッチー・ギンサー
1965年第10戦入会
ルドヴィコ・スカルフィオッティ
1966年第7戦入会
この年のアングロ・アメリカン・レーサーズからは6人が出走。第2,3,4,5戦でフェラーリを ドライブしたスカルフィオッティは第9戦のみこのチームから出走、同じ年に2チームの栄誉に貢献。ギンサーも複数チームから出走しているがこのチームでは第1,2戦のみ。
最低基準の「1シーズンに SVC 会員を複数擁したチーム」に該当。
1972年 BRM
結果 2,3,4,5,6,7,9,10,11,12戦で同時出走
レア度 ★★★
SVCドライバー ピーター・ゲシン
1971年第9戦入会
ジャン=ピエール・ベルトワーズ
1972年第4戦入会
この年のBRMからは8人が出走。
ゲシンは第8戦を欠場、ベルトワーズが第4戦で入会したことから、SVC 現役会員としてのコンビは第5,6,7,9,10,11,12戦での計7戦。
1967年のフェラーリに続く史上2番目の「SVC《現役》会員を同時に擁したチーム」かつ、1戦のみだった記録を7戦に伸ばした。
1973年 BRM
結果 第14戦のみ同時出走
レア度 ★★★
SVCドライバー ピーター・ゲシン
1971年第9戦入会
ジャン=ピエール・ベルトワーズ
1972年第4戦入会
この年のBRMからは、ニキ・ラウダ、クレイ・レガッツォーニの大物2名を含め4人が出走。
ベルトワーズは全戦出場したが、ゲシンは第14戦のみ。
この年は1戦のみだったが、前年と合わせ2年連続で「SVC《現役》会員を同時に擁したチーム」となった。
1973年 チーム・サーティース
結果 第9,11,15戦で同時出走
レア度 ★★
SVCドライバー ホセ・カルロス・パーチェ
1975年第2戦入会
ヨッヘン・マス
1975年第4戦入会
この年のチーム・サーティースからは5人が出走。
カルロス・パーチェは全戦出場したが、マスは第9,11,15戦のみ。
両ドライバーともに未入会であるため、「SVC 会員を複数《同時に》擁したチーム」に該当。
1974年 チーム・サーティース
結果 第1〜7戦で同時出走
レア度 ★★
SVCドライバー ホセ・カルロス・パーチェ
1975年第2戦入会
ヨッヘン・マス
1975年第4戦入会
この年のチーム・サーティースからは7人が出走。
SVC未入会の両ドライバーが同時出走したのは、第1〜7戦。
「SVC 会員を複数《同時に》擁したチーム」に該当。
1997年 プロスト・グランプリ
結果 ニアミス
レア度
SVCドライバー オリビエ・パニス
1996年第6戦入会
ヤーノ・トゥルーリ
2004年第6戦入会
この年のプロスト・グランプリからは中野信治を含め3人が出走。
中野は全戦出走したが、パニスは第7戦の事故で以降欠場、終盤3戦に復帰するまでトゥルーリが代役を務めた。
よってニアミス、かつトゥルーリは SVC 入会前であった。
最低基準の「1シーズンに SVC 会員を複数擁したチーム」に該当。
1998年 プロスト・グランプリ
結果 16戦全戦で同時出走
レア度 ★★
SVCドライバー オリビエ・パニス
1996年第6戦入会
ヤーノ・トゥルーリ
2004年第6戦入会
折角の2人揃っての全戦出場であるにもかかわらず、トゥルーリが SVC 入会前であったため、惜しくも「SVC 会員を複数《同時に》擁したチーム」に該当するのみ。
1999年 プロスト・グランプリ
結果 16戦全戦で同時出走
レア度 ★★
SVCドライバー オリビエ・パニス
1996年第6戦入会
ヤーノ・トゥルーリ
2004年第6戦入会
前年に続き2人揃って全戦出場。
トゥルーリがそう簡単には SVC に入会してくれないため、またしても「SVC 会員を複数《同時に》擁したチーム」に該当するのみ。
2001年 ジョーダン・グランプリ
結果 第13,14,15,16,17戦で同時出走
レア度 ★★
SVCドライバー ジャン・アレジ
1995年第6戦入会
ヤーノ・トゥルーリ
2004年第6戦入会
プロスト・グランプリを途中解雇されたアレジが、同じくジョーダン・グランプリで突如解雇されたハインツ=ハラルド・フレンツェンに代わり第13戦から最終第17戦までの5戦に出場。
全戦出場のトゥルーリはまだ SVC に入会しておらず、(チームもチームメイトも異なるにもかかわらず、2年前のプロスト・グランプリ同様)ジョーダン・グランプリも、トゥルーリのせいで「SVC 会員を複数《同時に》擁したチーム」に該当するのみ。
2004年 トヨタ
結果 第17戦日本GPのみ同時出走
レア度 ★★★
SVCドライバー オリビエ・パニス
1996年第6戦入会
ヤーノ・トゥルーリ
2004年第6戦入会
パニスは第17戦日本GPを最後に引退。
この年、ルノーから参戦し第6戦モナコGPで遂に SVC に入会したトゥルーリは、その後第15戦を最後にルノーから放出、1戦置いて第17,18戦をトヨタから参戦。
よって、「SVC《現役》会員を同時に擁したチーム」としてトヨタがF1史に名を残すことになった。日本GPの1戦のみとは言え、1973年のBRM以来31年振りの快挙。因みに1973年のBRMも1戦のみの現役 SVC 会員タッグ。
2010年 ロータス・レ―シング
結果 19戦全戦で同時出走
レア度 ★★★★★
SVCドライバー ヤーノ・トゥルーリ
2004年第6戦入会
ヘイキ・コバライネン
2008年第11戦入会
史上初、SVC 現役会員のみを擁して立ち上がったチーム。
例えば2015年シーズン第7戦カナダGP終了時点でGPウィナー二人を取り揃える贅沢チームは、フェラーリ、マクラーレン、メルセデスの3チーム。
これに匹敵する…ことができないのが SVC の SVC たる所以。
「SVC《現役》会員を《シーズンを通して》同時に擁したチーム」。
2011年 チーム・ロータス
結果 19戦全戦で同時出走
レア度 ★★★★★
SVCドライバー ヤーノ・トゥルーリ
2004年第6戦入会
ヘイキ・コバライネン
2008年第11戦入会
チーム名は若干変わったが、SVC 正規会員のタッグ2年目。
1勝しかしていないと解った上で雇い入れるこのチームの度胸GPウィナーを揃えることでチームのやる気をアピールすることはできた。あとは成績がついて来れば良いだけだったが…。
「SVC《現役》会員を《シーズンを通して》同時に擁したチーム」。

今後の展望

未勝利ドライバーはその全員が SVC 会員候補であるが、チームとなると自ずと絞られてくる。

そもそも2015年シーズン終了時点で現役 SVC 会員F1ドライバーはパストール・マルドナド1名のみなので、2014/2015年のチームメイト、ロマン・グロージャンが1勝でもすればこのリストに「ロータスF1チーム」が加わることになる。
このチームはトールマン〜ベネトン〜ルノーの流れを汲み、上記リストの中での最新チーム、後にケータハムとなったロータス・レーシング/チーム・ロータスとは別のチームである。

勿論、2016年はハースF1チームからの参戦が決定しているグロージャンが勝利を挙げてリスト入りした後すぐに2勝目を挙げてしまえば早々とリストから外れることになるし、マルドナドが先に勝ってしまえば彼の2勝目となって未来永劫 SVC を退会してしまうので、チームはリストに載らない。

…と、グロージャンの去就について追記して間もなくの2016年2月に、マルドナドがロータス(新生ルノー)のシートを追われることが発表された(この後の記述は何やら予言めいたものさえ感じられる)。

このように、「SVC会員を同時に擁したチーム」となるのは極めて困難なことであり、現時点で2チームが現役の「ワールドチャンピオンのみで構成されたチーム」になる方が余程簡単そうに見える。

最後に、興味深い事実を一つ。
上述のように、現役チームとしてロータスF1チームがこのリストに載るためにはマルドナドより先にグロージャンが勝たねばならないが、マルドナドが再び勝って SVC を退会した後、あるいは今後二人とも別のチームに移籍した後やマルドナドがシートを失った後、ロータスF1チーム自体が消滅した後だとしても、どこかでグロージャンさえ勝ってくれればこのチームは「1シーズンに SVC 会員を複数擁したチーム」に加わることになる。
2013年、腰を痛めたキミ・ライコネンに代わって第18戦と最終第19戦のみSVC会員ヘイキ・コバライネンがグロージャンのチームメイトとしてロータスF1チームから出走しているのだ!